3つの間


観光という名の物語体験


地球上に人類にとって全く未知なる土地がなくなった現代、「全ての観光活動は時間と空間と人間という3軸が交差する場所に生まれる物語の体験である」と考えることができます。

 

「時間」を「歴史」、「空間」を「地理」、「人間」を「人物」に置き換えて見ると分かり易くなります。旅に出て訪問するスポットは必ず年表と地図のどこかに記され、そこには「ゆかりの人物たち」による数々の人間ドラマが残されているからです。

 

観光活動とは、日常から離れて今この瞬間の異国(=空間)を訪れていながらも、そこで見聞きするのは積み重ねられた過去の軌跡(=時間)ですから、abラインにはタイムトラベルのような「時空の旅」が成り立ちます。そして、そこに眠る物語の登場人物に自らを重ね合わせることで、旅人は自ら主役となってacラインで歴史を、bcラインで地理を現場感と共に体系的に学ぶことができるのです。

 

時間・空間・人間に共通して含まれる「間(ま)」に誘い込まれる体験のことを観光であると定義してみても面白いですね。


著者:江藤誠晃
ツーリズム・プロデユーサー、旅行作家。

NEXT TOURISM 理事、観光甲子園統轄プロデューサー。