3つの市場


変化する旅行市場バランス


日本の観光旅行市場には日本人による海外旅行と国内旅行に加えて、近年一気に増加した外国人による訪日旅行の3種があるのは当たり前のことですが、3角思考の3辺で見るとその構造がよく分かります。

 

まず海外旅行と訪日旅行をつなぐabラインをビジネスフィールドにしているの航空産業です。周囲を海に囲まれた島国日本の国境を超える旅は一部の海上航路を除けば、ほぼ全てがエアライン各社の座席数によって成立します。近年LCC(ローコストキャリア)の登場もあって、日本と世界各地を結ぶフライト数が拡大し観光市場を活性化させています。



 

訪日旅行と国内旅行をつなぐbcラインは「地域のおもてなし市場」と見ることができます。全国の観光地は日本人と外国人の旅行者をバランスよく受け入れると同時に地域の魅力をそれぞれの市場に向けてどのように発信していくかを戦略的に考えるべき時代になっています。



 

海外旅行と国内旅行を結ぶacラインは日本人の旅行市場全体です。人口減少期に入った日本においては回数化を促すことが市場成長の鍵となります。海外旅行の市場に関してはパスポート保有率が23.4%という先進国の中では低調な比率の改善が求められています。

これら3つの市場は為替や景気に左右されるのはもちろん、テロや自然災害が発生すると大きな影響を受けるため、観光業界には常にバランスコントロールを意識することが求められるのです。

 


著者:江藤誠晃
ツーリズム・プロデユーサー、旅行作家。

NEXT TOURISM 理事、観光甲子園統轄プロデューサー。